雪の日の通学路

幼い頃に私が住んでいた田舎の町には、冬になるとたくさんの雪が降りました。
雪が降るといつも歩いて通っている片道3キロの小学校までの通学路が完全に雪で通れなくなります。雪は大人の腰のあたりまであり、小学生の私は埋もれてしまうほどでした。
そんな雪まみれの通学路は、いつも朝早くに誰かが細い道を作ってくれていました。
私たち子供は、その細い寒い道を3キロ歩いて通学しました。
子供にとっての3キロは過酷で、雪が降っていなくても大変なのに、雪の日は足がとられてしまい、たまったもんじゃありません。
そんな子供たちを見かねて、週に何度か地区の大人が家から学校まで車で送ってくれることがありました。
冷たい思いをしなくてもいいし、なによりただ座っているだけで登校できるのがとても嬉しかったのを今でも覚えています。
最近聞いた話なのですが、私の通っていた小学校も通学バスや通学用のタクシーなどを導入しているとのことで、片道3キロを越える場所に住んでいる生徒はそのどちらかの恩恵を受けているのだそうです。
ということは今の小学生は雪道どころか、3キロの通学路も経験していない…ということに。
時代の変化だなと思いました。
ただ、私は昔地区のみんなで歩いてみんなで集団登校できてよかったと思います。
登校中にふざけたり、おはなしをしたり、歌ったり…
おぼろげな記憶ではありますが、きっとそれはかけがえのない日々でした。